発見と工夫
人類が一番始めに作った道具といえば、石器。
最初はほとんど自然石と変わらない打製石器。次に割れた箇所を加工し、やじり型の石器を作り出し、鋭く切れやすくしていきました。
火、刃物、器、繊維、金属、紙 etc,,,,。
ありとあらゆる生活に必要な品々を身近なところから発見し、工夫して暮らしに生かす。石器時代、縄文時代から弥生時代、古墳時代、長い長い時代を経て現代へと人類の歴史は、発見と工夫の歴史と言えます。
浦間茶臼山古墳からは、完全な形ではありませんが、特殊器台形埴輪、銅鏃、鉄鏃、鉄刀、鉄剣、鎌、錐、鉄斧、鉇、銛などが見つかっています。
生活に直結している衣食住に使う様々な道具や品。たった一本の糸を採るにも莫大な時間と手間がかかります。
便利な道具があり、専門知識を得ることが容易に出来る現代においてでも、思わず面倒だと愚痴の一つも言いたくなることが多いものです。気の遠くなるような時間を掛け、工夫をした先人達に対し「尊敬」以外の言葉は見つかりません。

浦間茶臼山古墳出土武器・武具の保存処理
岡山市浦間茶臼山古墳から出土した武器・武具の劣化を防ぎ、適切な保管を行うため、保存処理事業を実施しました。本事業は三菱財団文化財保存修復事業助成を受けて実施しております。
浦間茶臼山古墳は前期初頭(3世紀中頃)に位置づけられます。前方後円墳で全長138mの規模を誇ります。ヤマト政権成立期の重要古墳といえましょう。後円部に竪穴式石室を持ち、当該資料はその石室から出土しました。
考古学領域が1988年に調査しました。出典・引用 岡山大学 浦間茶臼山古墳銅鏃(一部)