古墳時代・陶器の焼き色

赤磐市山陽郷土資料館(岡山県赤磐市)には陶棺がいくつか展示されており見応えがあります。

古墳時代の野焼きで焼成された埴輪や陶棺は、釉薬が掛かっていない土の素地のままの素焼きで、約800℃前後の温度で焼成されています。


焼成における「酸化」と「還元」


酸化焼成

窯の中に酸素をたっぷり送り込みながら焼きあげます。完全燃焼。

還元焼成

釉薬が溶け始める温度900℃〜あたりから、送り込む空気の量を制限しながら焼成します。不完全燃焼。




野焼きの場合、高温にならないので完全な還元焼成を行うことはできません。基本、酸化焼成で、出土した埴輪や陶棺は赤みを帯びた土色です。還元がかかると灰色のような色合いに同じ土でも変化します。

埴輪や陶棺などの一部に黒っぽい墨色の模様(黒斑)が起きている場合、以下のような考え方があります。

  • 焼成中(野焼き)、部分的に酸素を絶たれた
  • 土に埋まっている間の経年変化によるもの



さて 赤磐市山陽郷土資料館にあるこの陶棺↓は、他と違い何故全体が灰色なのでしょうか?当時の職人さんに聞いてみたいものです。
陶土にマンガンやコバルトを混ぜれば黒く焼き上がりますが、この時代にはまだそういう知識はなかったはずです。還元焼成するためには空気を断つしか方法はないのですが、陶棺全体を還元にするのは野焼きの場合難しいと思われます。
または、偶然掘った土がたまたまこういう色になる土だった可能性もあります。


陶芸という方向から見るだけでも様々なことが考えられ興味深いと思います。