古墳を巡る-両宮山古墳

日本遺産 両宮山古墳


浦間茶臼山古墳の周囲地域には多くの古墳が眠っています。古代吉備国のうち、備後を除く備前・備中・美作からなっている岡山。現在の市町村区画では違っていてもかつては同じだったところがあり地域の豪族や民衆の関連性も少なからずあるのではと思います。

岡山市のお隣、赤磐市も多くの古墳や史跡がある地域です。お近くまで行かれた際には古墳巡りをしたり、出土品が展示されている赤磐郷土資料館に立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

赤磐市観光パンフレット


両宮山古墳(国指定史跡)とその近くにある小山古墳に足を伸ばしてみました。今、両宮山古墳は堀の水を抜いているので普段であれば見えないところが現れていました。


両宮山古墳案内板
両宮山古墳


両宮山古墳の堀は現在、内堀しかありませんが、かつては外堀もあって二重に囲まれていたそうです。ここまでの規模の墳丘を作って葬られた首長はかなりの権力者だったのでしょう。


出典 赤磐の文化財




小山古墳(赤磐市指定史跡)は神社を建てる際に破壊された箇所が多く石棺の跡が後ろ側から見受けられました。ここだけでなく古墳には墓地や神社、畑などが作られているところが多いようです。程よい丘陵地で使いやすかったということでしょうか。




赤磐郷土資料館には出土品が多く展示されており興味深いものがあります。岡山県で多く見つかっているものとして「陶棺」「特殊器台」がありますが、実物をご覧になるとその迫力がわかります。



このような大きな焼き物を野焼きで作った古代の人々の凄さに感服します。ここまでの大きさの陶器を作り焼き上げるのは現在のように温度管理が容易な窯があっても難しいものです。また大型の陶器を作るにはそれに適した土が必要になります。

ましてや温度調整がかなり難しい野焼きとなると尚更。あれがない、これがないと出来ないなどと言い訳をしている現代人が足元にも及ばない偉大な仕事を感じます。


数々の出土品を見ることができるのでお時間のある時に見て回るのもいいものです。