「アカメガシワ」から樹皮を取る
アカメガシワ(赤芽槲・赤芽柏)という植物を身近でよく見ます。散歩をしていると、新芽が赤い色をしているので、生えている方向に目が向いてしまいます。
昔は、葉っぱが大きいので、ご飯や物を包むのに用いられていたようです。また、草木染めにも使われており、赤みがかった色に染まり、薬効もあり昔は民間薬としても使われていたということです。
とても丈夫な植物でアスファルトの隙間など、いたるところに生えており成長も早く、道路や公園の厄介者とされています。

幹の太いものを選び、ポキッと折って引っ張ると簡単に幅広の樹皮が剥けます。







繊維も取れますが、平たい樹皮を利用して、カゴなども編めます。樹皮のカゴで検索すると出てくるのでご興味のある方は調べてみてください。昔の人々は、杉、白樺、胡桃、ツルなど身近な場所にある自然を使って生活道具を作っていたのだなと感心します。
私達の周囲には、繊維の原料となる植物が沢山生えています。
古代の人々はどんな衣服を着ていたのでしょうか。実際に繊維を取り、糸にし、織って布地が出来るまでには相当な時間と手間がかかります。やっと織り上げた布地で作った衣服は、大変な貴重品であったと思います。着替えが何枚も作れたとは考えられないので、大切に繕いながら着ていたのではと想像しています。
生活で使うものを我が手で作る。我々は、いつしか自らの手を動かすことなく、便利で精巧な品々を簡単に手に入れることの出来る時代に生きられるようになりました。ありがたいという感謝の気持ちと共に、時には出来る範囲で何かを生み出し、古の人々の暮らしを鑑みることも大切なことかもしれません。