縄文石器 倉敷で出土

倉敷市酒津の酒津遺跡から出土した有溝砥石について、現地で12月14日に説明会がありました。

倉敷市酒津の酒津遺跡から「 有溝砥石ゆうこうといし 」と呼ばれる縄文時代草創期(約1万6000~1万1000年前)の石器が出土したと県古代吉備文化財センターが発表し、14日、現地説明会が開かれた。これまで同遺跡では弥生時代末期(約1800年前)の土器が見つかっていたが、その歴史が大きく遡る可能性が高くなった。

同遺跡は高梁川の中州にあり、今回の発掘調査は国の河川改修事業に伴って2022年度から実施。古墳時代の箱式石棺や中世の掘っ立て柱建物などが確認され、有溝砥石は24年度になって見つかった。

発表によると、有溝砥石は長さ7センチ、幅2センチ、厚さ6センチの板状の流紋岩製。何本もの細い溝があり、詳細な用途は不明だが砥石の一部とみられている。県内で出土したのは、福島遺跡(倉敷市)、長光寺山遺跡(真庭市)に続いて3例目。

現地説明会には大勢の考古学ファンが訪れ、遺跡を見学、センター職員の説明に耳を傾けた。物部茂樹統括副参事は「酒津遺跡の歴史が約1万年も遡ることになった。貴重な発見が他にもある可能性があり、今後の調査に期待してほしい」と話していた。

出典・引用 読売新聞オンライン 2024/12/15


酒津遺跡で見つかった「有溝砥石」

有溝砥石
酒津遺跡出土板状有溝砥石(縄文時代草創期)


岡山県古代吉備文化財センターが発掘調査を行っている酒津遺跡の現地説明会を、次のとおり開催します。 酒津遺跡は高梁川の中州に位置し、昭和30年ごろに多量の土器が採取されたことにより発見されました。令和4年度から河川整備事業に伴い発掘調査を実施したところ、弥生時代の溝、古墳時代の箱式石棺、中世の掘立柱建物や井戸等のほか、新たに縄文時代草創期(今から約16,000~約11,000年前)と推定される石器が発見され、長期にわたる酒津遺跡の様相が明らかになりつつあります。

▪️令和6年12月14日・15日
▪️酒津遺跡発掘調査現場
▪️発掘調査現場の説明と出土品展示




出典・引用 岡山県古代吉備文化財センター