新種鉱物「アマテラス石」

岡山県新見市で発見されたヒスイの中から新種の鉱物が見つかり話題になっています。
アマテラス石は「人と科学の未来館サイピア」で展示中です。

人と科学の未来館サイピア
岡山県岡山市北区伊島町3丁目1番1号  岡山県生涯学習センター


新種鉱物


岡山県で採取されたヒスイの中から新種の鉱物が見つかり、「アマテラス石」と名付けたと、東京大学などの研究チームが発表しました。

この鉱物は岡山県新見市の山中で採取されたヒスイの中から見つかり、緑がかった黒い色をしています。

東京大学や山口大学などの研究チームは、鉱物を詳しく分析した結果、ほかの鉱物には見られない独自の元素比率や、特徴的な結晶構造を確認したということで、「アマテラス石」と名付けて、去年11月、国際鉱物学連合から新種の鉱物として承認を受けました。



命名の経緯について研究チームは、古くから日本人の生活に関わり国の石を意味する「国石」にも選ばれているヒスイの中から見つかったことなどから、天照大神にちなんで名付けたとしています。

「アマテラス石」はプレートの境界付近での地質作用によってヒスイとともに生成したと考えられ、ヒスイの生成過程を詳しく理解する上でも貴重な資料になるということです。

出典・引用 NHK WEB 2025年8月13日




発見されたヒスイからの関連で、古墳時代の勾玉まがたま
を少し調べてみました。

岡山県では、弥生時代後期の楯築遺跡(倉敷市矢部)でヒスイ製勾玉と碧玉製管玉の組合せが発見されています。古代、「玉」 は装飾として身に着けるだけではなく、呪術的な意味合いが大きかったと考えられています。
今で言うところのパワーストーンのような扱いだったのでしょう。

古墳時代の勾玉


埋葬部は、墓壙を掘ったあとに木槨を築き、そこに遺体を入れた木棺を安置したようです。木棺内には、30kgにも及ぶ朱が敷き詰められていました。棺内には翡翠製勾玉・瑪瑙製管玉・碧玉製管玉の3種の玉で作られた首飾り1つと鉄剣1本が、また棺外には碧玉製管玉の首飾りが副葬されていました。

楯築遺跡出土品

出土品|岡山大学考古資料展示室
青緑色の碧玉製管玉からなる首飾りは棺内に、濃暗緑色の碧玉製管玉からなる首飾りは棺外に副葬されていた。土製の人形と玉は、埋葬後の石積み内から出土。

出典・引用 史跡navi





縄文時代、翡翠の一大生産地だったのは新潟県糸魚川周辺であったそうです。古墳時代になると勾玉&天然石宝飾品の黄金期だったと言われています。古くから流通が行われ、限られた地位の人だけが手にすることが出来る装飾品でした。

岡山県では赤磐市山陽/岩田古墳群や岡山市東区上道北方/塚段古墳群から玉類が出土していますが、ガラス製の玉類が主体で石製の玉類は少ないとのことです。


昔も今も、人が美しいもの、不思議なものに惹かれるのは同じ。新しい鉱物の発見に胸が躍ります。